Mr.KK’s untold stories. 〜けけ氏はタコやイカがお好き〜

#16 イカとかタコとか…

 

この小噺はつくり話です。

小林賢太郎氏の作品にインスパイアされて書きました。一部のアイデア、固有名詞をそのまま使っています。出典は最後に書いてあります。

 

 けけ氏は水族館がお気に入りだ。ちょっとくらい遠くても時間を見つけては訪れている。けけ氏のお目当てはイカとかタコといったニョロニョロした海洋生物である。

「はっはっは。まるで宇宙人だね。タコよりイカの方が宇宙人っぽいな」

もういくらでも眺めていられる。このまま一日中イカの水槽の前で過ごしたっていい。水槽の前からなかなか離れられないけけ氏である。

 いつぞやは大きなキャンバスいっぱいにタコの絵を描いてみたこともあった。誰に見せるわけでもない、自分のためだけの絵。それがタコの絵だ。タコの気持ちになってニョロニョロと動きながら描いてみた。どんだけタコが好きなのか察するに余りある。なぜあの時タコの絵を描きたかったのか、それは今でも謎である。

 

 それほどまでに愛してやまないイカとタコ。だからこそけけ氏の創作の源になってくれる。

「生徒会長…せいとかいちょう…いかと…………」

「海底2万マイル…かいていにまんまいる…いいんいかまるに…………」

「はっはっは。こりゃ面白い。いくらでもできるな。いや、イクラでは出来ない。イカじゃないと…」アナグラムをやりながらもついダジャレが出てしまう。もはや職業病か。

 だからアナグラムなんてお手の物だ。紙と鉛筆あればどこでも作れるので、暇さえあれば文字を並べ替えては面白いものが作れないか試している。イカを使ったアナグラムはこれまでにたくさん作品にしてきた。

 イカイカにフラれるという歌を作ったこともあった。一体誰が聞いてくれるんだと思ったが、案外ウケた。あれは歌っていて楽しかったな。やはりイカ強し、である。

 

 絵を描くのはキャンバスばかりではない。ソロパフォーマンスで使用する映像の中にもしっかりとイカやタコを忍び込ませている。水中に落としたモップを巨大なイカのようなモノが拾って届けてくれるシーンだとか、ダイバーが水中で大きなオウム貝に出会うとか。オウム貝は貝というよりはイカやタコのような軟体動物の仲間らしい。けけ氏が惹かれるのも無理はない。深海の真っ黒なタコは黒板にチョークで描いてみた。もういくらでも描ける。いや、だから描くのはイクラではなくて…。

 

 そうだ、タコといえば、けけ氏の大学時代の彼女だったトモコを思い出した。けけ氏と付き合いを始める前、合コンに行っては変な彼氏を家に連れてきてたあのトモコである。ちらっとトモコからその変な彼氏の話を聞いていたのだが、なんでもスーツの上着の袖から、ウマとタコがのぞいていたというのだ。袖からウマとタコだぁ?タコ好きなけけ氏ではあるが、袖からタコはゴメン被りたい。手はどうしてるんだ?タコが手の代わりに字を書いてくれるのか?ぬるっぬるで気持ち悪いったらないな。どうしてそんな人と付き合うことになったのか、そのあたりの事情はトモコから聞いていない。彼、袖道楽なのって言ってが、そもそも袖道楽ってなんなんだ?変わった人がいるもんだな。

 

 なんてことを思い出していたらお腹が空いてきた。そろそろ晩ご飯の時間だ。お、この匂い。今夜は揚げ物か?できればゲソの唐揚げかタコの天ぷらがいいな…。それともイカのタコスでもいいな。たまにはメキシカンってのもな。テキーラ、あったんじゃないか?

 

出典

Live Potsunen in Europe  ドキュメンタリー

「本」展

KKTV#10 X

KKTV#3  学校でアナグラム

Potsunen maru アナグラムの穴

Potsunen  アナグラムの穴 告白回覧板

Thé DROP  Drop

P+  Lines and Diver

The SPOT  アナグラムの穴ぐら

KAJALLA#4  ドドリコさん