#1 ブルボン
この小噺はつくり話です。
小林賢太郎氏の作品にインスパイアされて書きました。一部のアイデア、固有名詞をそのまま使っています。出典は最後に書いてあります。
「ブルボン、ブルボン…ブルボンてドインドに似てね?」
「いやいや、かぶってんのはンだけだし、そもそもどこが似てんだ?てか、ドインドって何?」
けけ氏はつくる人。アトリエにこもって色んな面白いものをこしらえて発表し、世の中の人を楽しませるのが仕事。今日は「おかし」でなにやらおかしなものを作ろうとしているようだ。
「うーん、ダメだ。思いつかない。こういうときには甘いものだな。」とそばにある大きな壺からやおらお菓子を取り出すけけ氏。彼は作品を発表するために地方を回ることも多い。そんな時にファンの人たちから差し入れをいただくのだ。お菓子などもよくいただく。そういったものはこの大きな壺に入れていつでも食べられるようにしてあるのだ。なぜ壺なのか?けけ氏は壺には目がない壺マニアなので色んな種類の壺が家にあるのだ。
「えーっと、なんだ。オールレーズン、ルマンド、チョコリエール、ココナッツサブレ?すげぇマザーラインナップ!」
「おっと、こっちはブルボンプチシリーズか。プチってフランス語だよな。シリーズは英語。なんでフランス語と英語をごっちゃにしてるんだ?ブルボン、よくわからんぞ。
そもそも、ブルボンだって英語読みにしたらバーボンだぜ。もはやお菓子じゃないよな。」 なんてことをぶつぶつ呟きながらお菓子の品定めをするけけ氏。どれから食べてやろうかと、さらに壺の奥に手をやると大きな袋に手が触れた。
「おお、こいつはブルボンオリジナルアソートじゃないか。こいつは外せないんだよな。んん?なんだ?こっちはブルボンオリジナルミックス〜?ブルボンオリジナルアソートとは違うのか?」 こうなったら仕事どころではない。2つの袋をぶちまけ中身を確認する。
「オリジナルミックスにはチョコアンドコーヒーとアルフォートまで入ってるのか。
でも、オリジナルアソートに入っているルーベラは見当たらないな。待てよ。オリジナルミックスにルーベラを投入したら最強じゃねーか!!ブルボンオリジナルパーフェクトか!!!」 けけ氏やや興奮気味である。お菓子でここまで熱くなれる男である。
そして次々とお菓子をほおばる。
「うーん、やっぱアルフォートには目がないんだよな。アルフォート無限!」
ああ、今日も仕事にならなかった。けけ氏、明日はなにをこしらえるのだろう。
出典
ラーメンズのラジオコント
ラーメンズ 名は体を表す
KAJALLA#2 毒と鍛冶屋ら
振り子とチーズケーキ