小林大辞典 37〜42(#45)

37「ホテルのアメニティ」✔︎

ホテルのアメニティといえば、歯ブラシ、ヘアブラシ、髭剃り、シャンプー、コンディショナーあたりが挙げられる。ホテルでの滞在を快適にするためにホテル側が用意してくれているものである。こららの消耗品はゲストが使うことを前提としているので、使わなかったものを持ち帰っても問題はない。ただし、シャワーカーテンやトイレットペーパーやバスローブなどを持ち帰るのはご法度である。

 

38「ガトーショコラ」✔︎

チョコレートケーキはフランス語でGâteau au chocolat 。カタカナで書くとガトー・オ・ショコラです。日本ではガトーショコラで通ってますね。ケーキの生地にココアパウダーを混ぜて焼くのが基本だそうです。どっしりとした濃厚なケーキが人気です。魔神を倒すための掛け声として使って果たして効果があるのか…謎です。

 

39「形状記憶合金」✔︎

低温で変形し、変形した時の温度よりも高い温度に加熱するだけでもとの形状にもどるという性質を有する合金。ラのつくコンビの片方が全身を使ってお湯に浸かると元に戻る形状記憶合金の真似をしていたことがある。

 

40「落研」✔︎

大学にあるサークルで落語を研究して演じるのが目的。そのためもともとは落語研究会を略して落研と称していた。最近ではお笑い全般をやるサークルになっている。多摩美落研を復活させるという名目でお笑いサークルを作った小林氏は「落研」ではなく「オチケン」と名づけていた。

 

41「ピロティ」✔︎

1階部分が柱のみの構造で、建物は2階以上に建設される構造体をピロティと呼ぶ。また、大学等の公共の施設では掲示板や自動販売機が置いてあるスペースをピロティと呼ぶこともある。生徒会長をインターセプトされたバニー部主将がメンバーに集合せよと指定したのもピロティであった。

 

42「なわとび」✔︎

1人、または2人で縄を持ちそれを回して、引っ掛けないようにその場で飛ぶスポーツ。2人で縄を回す場合は何人が飛んでもよい。一度に大勢で飛び、何回ひっかからずに飛べるかを競う。どこかの学校に、歌いながらただ縄を回すだけの縄跳び部という部活があるという。女子マネージャーもいる本格的な部活である。

Mr.KK’s untold stories.〜けけ氏はつくることがお好き〜

#38 つくること

 

この小噺は作り話です。

 

小林賢太郎氏の作品にインスパイアされて書きました。一部のアイデア、固有名詞をそのまま使っています。出典は最後に書いてあります。

 

 創る…

 造る… 

 作る…

 拵える…

 

 けけ氏が大好きなつくること。一文字の漢字ではとうてい言い表せないのであえてひらがなで。今回は「つくる人」けけ氏のお話。

 

 彼にとって「つくること」は息をすることと同じで、生きていく上でなくてはならないものである。だから小さい頃からつくることが好きだった。幼稚園の砂場でどうしても内側からトンネルを作りたかったけけ氏。たった1人で砂場で黙々と自分のやり方でトンネルを作った。小学校の時にクラスメイトの中で流行った合体ロボ。けけ氏氏の両親はけけ氏にそのようなおもちゃは与えなかったため、けけ氏は空き箱を使って自分でこしらえた。廊下をビー玉が延々と転がるピタゴラスイッチみたいな仕掛けも自分で作った。

 

 なければ自分で作ればいい。自然と身についたけけ氏の生き方である。

 

 そんな工作大好きけけ少年を両親がサーカスに連れて行ってくれたことがあった。サルティンバンコアレグリアといった演目で有名なシルク・ドゥ・ソレイユがまだなかった当時、屋外で見るエンターテインメントといえばサーカスだった。鍛え上げられた美しい体、おどけて玉乗りをするピエロのなんとも面白い動き。どうしたらあんな風なことができるんだろうと不思議でしかたなかったジャグリング。けけ氏の目は曲芸師に釘付けになった。

 

 なんて美しくて、面白くて、不思議なんだろう。

 

 年齢も性別も関係なくみんなが笑顔になっている。夢中で拍手をおくっている。美しくて面白くて不思議なものを作るとみんながあんなにも喜んでくれるんだ。このことはけけ氏の心の奥底に刻まれることとなった。

 

 中学生になったけけ氏に転機が訪れた。成り行きで劇の台本を書くことになったのだ。カタチのないものをこしらえる初めての経験である。クラスで行う劇の脚本を書き、演出や進行役を務めることになった。何もないところからストーリーを考え、セリフを書き、しんみりさせたり笑わせたり。持てる全てを使って台本を書いた。同時にクラスのみんなに仕事を割り振り、作業の指揮をとる。1人何役こなしただろうか。それでもけけ氏は楽しかった。つくることがこんなにも楽しいなんて!けけ氏はますますのめり込んでいった。

 

 全校生徒の前で発表した劇は大成功。裏方として奔走したけけ氏、たくさんの拍手をもらってなんとも幸せな気持ちになった。つくることってやっぱり楽しい。もっともっといろんなものをつくりたい。そして人を楽しませたい。そう、あの時のサーカスみたいに、いつか自分も大勢の人を楽しませられるようになるんだ。自分のつくったものでみんなを楽しませるんだ。そっと心の中でガッツポーズを決めた。

 

 つくる人、けけ氏の誕生である。

 

 この後の活動についてはこれまでのけけ氏のお話の通りである。以来ずっといろんなものをつくり続けている。コンビやグループでのコント公演。役者仲間と演じたお芝居。一人芝居。テレビにも出た。そして、今年は国際的大運動会のオープニングセレモニーをつくることになった。全世界の人々を相手に、自分がつくるもので沢山の人を楽しませることができるだろうか。いや、そんな心配は無用だろう。けけ氏にとってつくることは生きることなのだ。懸命に生きればその想いは必ず通じる。素晴らしい作品ができるはず。

 

 夜明け前の、世界の片隅のようなひっそりとした森の中で、今日もけけ氏は黙々と最後の仕上げの作業をしている。

 

 セレモニーの幕があがる………。

 

 

 

 

出典

こばなしけんたろう 砂場の少年について

CLASSIC  ベルボーイのホテル旅館化計画

ロールシャッハ

ラーメンズ

小林賢太郎テレビ

カジャラ

KKP

カジャラジオ

TOKYO2020

 

 

 これまで読んでいただきありがとうございました。Mr.KK's untold stories.〜けけ氏は〇〇がお好き〜は第38作目をもちまして終了いたします。小林賢太郎氏の作品の中からたくさんのアイデアを拝借して、賢太郎さんが好きなものを散りばめて、稚拙ではありますが、けけ氏の小噺を創作してきました。使ったアイデアの引用先は出典として全て書いてあります。また、これらの創作文は個人で楽しむために書いたものです。無断転載は固くお断りいたします。

 とは言え、2次創作や著作権に関することもあり、このような創作についてはよく思われない方、ブログで発表することに異を唱える方もいらっしゃるかもしれません。ご意見などありましたらコメント欄にてどうぞご遠慮なくおっしゃってください。

 また、五輪の演出の件についてですが、賢太郎さんがつくったことには変わりはないので、そのことは忘れてはいけないと思い、敢えて変更せずに書きました。(もともと7/23に公開するつもりで書いてあったものなので) こちらについても賛否両論あるかと思いますが、ご意見などありましたらどうぞお知らせください。

 

 

 

 

 

 

小林大辞典 31〜36(#44)

31「バウムクーヘン」✔︎

中心にドーナツ状の穴があり断面に樹木の年輪のような同心円状の模様が浮き出たドイツの焼き菓子。ドイツ語でバウムは木、クーヘンはケーキを意味する。したがってお茶はドイツ語でバウムクーヘンというのは間違い。また、新聞はロシア語でバウムクーヘンバウムクーヘンは日本語で生命というのも嘘である。

 

32「超能力」✔︎

通常の人間にはできないことを実現できる特殊な能力のこと。古くは神通力とも言われた。超能力といえばスプーン曲げや透視などがよく知られている。いくら超能力が欲しいからといってティッシュの箱に糸をつけてこっそり動かすとか、レストランで他人に透視能力を試すことはやらないように。埋蔵櫛のありかを怪しげな霊能者に透視してもらう、なんてのもナシですよ!!

 

33「わんこそば」✔︎

岩手県に伝わる蕎麦の一種。一口大の蕎麦をお椀に入れ、それを食べ終わるや否や給仕が次々と蕎麦を入れ続け、満腹になった客がフタを閉めるまでそれが延々と続けられるスタイル。決してイヌを蕎麦にしたものではないし、イヌ味のお蕎麦という意味ではない。(←当たり前)。ケモノソバってわんこそばの親戚なのか???

 

34「ビフィズス菌」✔︎

主にヒトや動物の腸内に存在する乳酸菌の仲間で、善玉菌の代表格。腸内で有害な菌の繁殖を抑え、腸の働きを良くする働きがある。経口摂取によって生きたまま腸まで届けるのはなかなか難しいとされる。菌といえば、日本の国菌はコウジ菌。ヒトツボ王国の国菌はビフィズス菌である。

 

35「ボウラーハット」✔︎

トップが丸い形をしたツバの短いハットのことを指し、日本では山高帽とも呼ばれる。背の高いシルクハットに変わるものとして英国のウィリアム・ボウラーによって生み出された。チャールズ・チャップリンのトレードマークともなっている帽子であるが、私たちにとってはポツネン氏のトレードマークとも言うべき帽子である。

 

36「ルームサービス」✔︎

1930年代にニューヨークのホテルで始まり、世界中に普及した。プライベートなホテルの部屋でゆっくり食事を楽しむサービスのため、値段は少々高額に設定されているが、気軽に部屋にお酒を持ち込むことができるのは大きなメリット。メニューはホテルにより様々であるが、焼きうどんやパンだけのオーダーが可能かどうかは謎である。

Mr.KK’s untold stories. 〜けけ氏はお茶が好き リターンズ〜

#37 お茶

 

この小噺は作り話です。

 

小林賢太郎氏の作品にインスパイアされて書きました。一部のアイデア、固有名詞をそのまま使っています。出典は最後に書いてあります。

 

 けけ氏が朝目覚めてすぐに口にするもの。それは紅茶である。英国人か、と突っ込まれそうであるが、好きなものは好きなのだ。

 

「んあぁぁ〜。よく寝た〜。さてと、まずはお湯をわかして…」

 ベッドから出たけけ氏がまず向かうところはキッチン。やかんにたっぷりとお湯を沸かす。沸騰してから約3分。カルキ臭などを飛ばす。紅茶を淹れるには沸騰した100度のお湯がもっとも適しているらしい。

 お湯が沸くまでの間、食器棚からカップとソーサーを選ぶ。けけ氏の食器棚には色とりどりのカップとソーサーが見事に収納されている。けけ氏がヨーロッパで働いていた時*に買い集めたコレクションだ。ノリタケなどの日本ブランドに加えてウエッジウッド、マイセン、リチャード・ジノリ…ヨーロッパの名だたるブランドも揃っている。

「ヨーロッパに住んでた時はずいぶんと紅茶にハマっていたからなぁ。結構な数のカップを買い漁ってしまったよ…」

 などと言いながらお気に入りのカップを選ぶ。今朝はノリノリでノリタケを選んだ。

「♪お皿はノリタケ非売品〜♪ 」

 歌いながらうーんと考え込んでしまったけけ氏。

「なんなんだっけこの歌??ああ、そうだった。この間泊まったなんとか閣ホテルのロビーでずっと流れてたやつだ。一日中流しやがって。おかげでフルコーラス歌えるようになっちまったじゃないか」

 お湯が沸いた。ポットに茶葉とお湯を入れて待つこと3分。

「えーっと、今日はどの3分計を使おうかな」

 コント仲間に3分間喋らせて〇〇3分計というコントを作ったことがあるけけ氏。自身のものも含めると4パターンある。お茶を淹れたりカップ麺を作ったりする時に重宝している。

「じゃぁ今日はこいつで……と」

 コント仲間の軽快なおしゃべりを聴いていると3分なんてあっという間だ。ティーポットからお茶をカップに注ぐ。

「うーーん、今朝もいい香りだ」

 

 と、そこへ電話がかかってきた。朝っぱらからどこのどいつだ、とケータイを見るとお茶彦からの着信だった。

「あ、もしもしぃ〜。おはよう。オレだよオレ」

「お茶彦か、おはよう」

「そのお茶彦ってやつやめろよな」

「なんで?いいじゃん。お前にぴったりじゃねーか」

「お茶彦て………」

 彼は古くからの友人で、もちろんお茶彦は本名ではない。漫画家なのだがやたらとお茶に詳しいのでけけ氏が勝手にお茶彦と呼んでいる。東京産の紅茶があることを教えてくれたのも彼だ。どうも相手は気に入ってないようだがそんなことお構いなしのけけ氏。自分のネーミングセンスを微塵も疑っていない。

「で何か用なの?」

「あ、そうそう。いい茶葉が手に入ったんで一緒にお茶でもと思ってさ」

「ほら、やっぱお前はお茶彦だよ。ぜひ飲みたいから持ってきてよ!」

「今からお前んち行くわ」

 

 お茶彦が持ってきたお茶はフランスのFAUCHONのラプサン・スーチョン・ティーだった。

「また変わった名前の紅茶だな。攻めてくるなぁ」

「コイツはクセになるぞ〜」

 そう言いながらそそくさとお茶を淹れる準備をするお茶彦。お皿はノリタケ非売品〜♪などと鼻歌を歌っている。

「なに、お前もあのホテル泊まったことあんのか?」

「あるある。先月ちょっと缶詰になってね。アメニティをかっぱらってまんまと逃げてやったけど、この曲が頭から離れなくてさ。困ったもんだぜ」

「なぁ。ロビーで芸者と称するベルボーイが踊ってるし、お風呂は温水プールだし。いったいなんなんだあのホテル」

コンシェルジュも踊るらしいぜ」

 などと話しているうちにお茶の用意が整った。一口飲んでみる。

「んんん?なんじゃこりゃ?紅茶の燻製か?はたまた正露丸風味のお茶か?」

「おいおい、ひどいな。これはれっきとしたフレーバーティーだぜ。このスモーキーな香りが分からんかねぇ」

「ま、確かにクセになる味ではあるな。うん、おかわり」

 けけ氏、このお茶が気に入ったようだ。

 

「ところで、ちょっと教えてほしいことがあるんだが…」

「お茶に関することなならなんだって聞いてくれていいぜ」

「お茶彦、頼りになるな。…………で、女子っぽくお茶を飲むのってどうしたらいいと思う?」

「はぁ?」

「いやね、今度のお芝居で劇中劇をやるシーンがあってな。紅茶を飲む母親って役どころなんだけど、どうやったら女子っぽく見えるかと考えててさ」

「そうだな。まず、左手でソーサーを持つ。右手でカップを持ち、小指を立ててみ。足は必ず揃える。これだけでずいぶん女子っぽくなるぜ」

「おお、こうか?」

「緑茶の時は茶托を左手に持って、右手で優雅に蓋を取るんだ。お茶菓子を食べる時も、フォークを持つ手の小指は立てておくんだぜ」

「なるほどねぇ。メモメモ…と。さすが漫画家の先生はなんでもご存知だ。助かったよ」

「今度は珍しいコーヒーでも持ってくるよ。ゲイシャコーヒーなんてどうだ?」

「またあのホテルか?踊る芸者のコーヒーかなんかか?」

「ちげーよ。コーヒー豆の種類がゲイシャってんだ」

「何でもよく知ってるなぁ」

「お前ほどじゃねーよ」

 

 お茶彦のおかげでいい芝居が出来そうだ。早速練習しないとな。練習ついでにあいつが置いていった茶葉でもういっぱいお茶を淹れるか…。

 

 けけ氏のいつもの1日が始まる。

 

* #35けけ氏は先生がお好き、参照

 

 

出典

CLASSIC  帝王閣ホテル応援歌

カジャラジオのコント

SymmetryS  Record of Records

カジャラ#1  しあわせ保険バランス

CLASSIC  マリコマリオ

CLASSIC  ベルボーイのホテル旅館化計画

KKP#5  TAKEOFF

Potsunen  男のゲーム

 

 

小林大辞典 25〜30(#43)

25「江ノ島」✔︎

藤沢市にある人気の観光地。弁財天を祀る神社がある。近年はイルミネーションが有名。近くには「えのすい」で知られる水族館もあり、休日は多くの人で賑わう。ヒトデ、といえば乾燥ヒトデがお土産で売られているらしいが、生乾きのこともあるとかないとか…。

 

26「オリンピック」✔︎

4年に1度開催される国際的大運動会。期間をずらしてオリンピックとパラリンピックが開かれ、2年ずらして冬季(登記や陶器ではない)オリンピックも開かれる。『クルラータ  ワーハ  タラルーク』というのは古代ギリシャ語で『オリンピックって4年に1度でいいんじゃね?』という意味……ではない。

 

27「タイムマシン」✔︎

時間の流れを超えて未来や過去に旅行できる機械のこと。アインシュタイン相対性理論を使えば、新幹線で東京から博多に移動すると、博多に着いた時10億分の1秒だけ未来に行くことができるらしい。乗り物でなくてもいいなら、クリアファイルとか段ボールとガムテープでタイムマシン的なものは作れる……。って誰かが言ってました。

 

28「剥製」✔︎

剥製とは学術研究、展示、鑑賞を目的とした動物標本作製技術の一種。見た目のまんまで保存できるので、かなりリアル。アルコールランプ、度数の強いウオッカなどのお酒、体操のマット、卓球台などが揃えば体育館でも作れてしまう…かもしれない。理科の先生をしている友人に夜の体育館に呼び出されたら気をつけて!

 

29「魔神」✔︎

災いをもたらす神、または悪魔のことを指す。

水曜どうでしょう」の企画「列島対決」でディレクターの藤村氏が自身のことを魔神と呼んでいた。目をこすったり、急須をこすったりすると出てくるかもしれないのでご注意ください。倒すには飛び道具は役に立たないので、「がとーしょぉーこらぁー」という掛け声とともにひっくり返すしかない。

 

30「聴診器」✔︎

医者や看護師が患者の胸の音を聞いて診察するための道具。なんらかの方法でこの道具を手に入れられたとしても、夜中に聴診器を使って階下の聞いてはいけない話を聞いてはいけない。聞きたくもない話を聞いてしまうかも。

ちなみに、Amazon楽天でも購入可能。

 

 

小林大辞典 19~24(#42)

19「オマール海老」✔︎

別名ロブスター。タラバガニがザリガニの仲間であるのと同様、海老と名前はついているがザリガニの仲間で海老ではない。ハンマー(フランス語ではオマール)のようなハサミが特徴。特にさばかなくても丸のまま茹でて、溶かしバターをつけながら食べればよい。わざわざ欧米人を探してくる必要はない。

 

20「丘を超えて」✔︎

丘を越えて行こうよ」で始まる「丘を越えて」は1931年に日本コロムビアから藤山一郎の歌唱によって発売された昭和歌謡である。また、「丘をこえ 行こうよ」とほぼ歌い出しが同じ(当然メロディーは違う)「ピクニック」は外国の曲に日本語の歌詞(訳詞)をつけたものである。コントに使われているのは後者のほう。タイトルが「ピクニック」って、案外知られていない。知らなかったでしょ〜??

 

21「マカダミアナッツ」✔︎

マカダミアの木になるナッツのこと。実はもろめでややしっとりしており、味はタンパク。そのままローストしたものや、チョコレートでコーテイングされたマカダミアナッツチョコはお土産の定番。マカダミアナッツチョコとマカダミアンナッツチョコは別物だという嘘をぬけぬけと書いた人がいるのでご注意を。

 

22「桶」✔︎

薄い板を円形に並べて底をつけ、タガと呼ばれる金属製の輪っかで締めて作られる容器のこと。昔から風が吹くと桶屋が儲かるという、いわゆるバタフライ効果が語られているが、現在では桶屋そのものが見当たらないため、風が吹いて儲かっている桶屋を見たことがない。(すみません。儲かっているかどうかはともかく、桶屋を鎌倉で見かけました。あるんだー、実際)

 

23「糸電話」✔︎

2つの紙コップの底に小さな穴を開けて糸を通してつないだもの。子どもの頃に遊んだ記憶があるはず。片方が送信機、もう片方が受信機の役割を果たす。中には時空を超えてつながってしまうものもあるらしい。どこまで離れても使えるかを試すために、一斗缶とバネなどを使っての実験なんかはしないようにね。

 

24「ランボルギーニカウンタック」✔︎

イタリアのランボルギーニ社が1974年から1990年にかけて製造していたスーパーカー。真っ赤な車体、ガルウィングのような独特なドアの開閉が特徴的である。小学生の間でちょっとしたスーパーカーブームが起こったこともあった。このスーパーカーになろうとした男の話や、山で出会った雪男にカウンタックのカー君と名前をつけた男の話を書いたクリエイターを私は知っている……。

Mr.KK’s untold stories〜けけ氏は帽子がお好き〜

#36ボウラーハット

 

この小噺は作り話です。

 

小林賢太郎氏の作品にインスパイアされて書きました。一部のアイデア、固有名詞はそのまま使っています。出典は最後に書いてあります。

 

 あれもかぶりたい、これもかぶりたい。自分に1番しっくりくる帽子はなんだろうか。

 

 けけ氏は帽子、というかかぶり物が好きだ。普段からキャップ、ハンチング、ハットなどいろんなデザインの帽子をかぶっている。今やけけ氏といえば帽子とメガネがトレードマークといってもいいくらいだ。

「そういや学生のころ、コントやるのに工事現場のコーンかぶったこともあったな。オレのかぶり物人生のスタートはあん時か?」

たしかに、それ以来色んなものをかぶってきたけけ氏である。もはやかぶりもののエキスパートと言ってもいいだろう。そんなものがあれば、の話だが。

 

 けけ氏は今はクリエイターとして活躍しているが、以前に海外でニホン語を教える仕事をしていたことがある*。(#35けけ氏は先生がお好き、参照) いろんな国でニホン語を教えた。あれは確か、ヨーロッパのどこかの国だったか。ふと立ち寄った美術館で、マグリットの作品にお目にかかったことがあった。

「え?マグリットの回顧展やってんのか。これは見なきゃ、だな。どんな作品が来てるんだろう」

 チケットを買って中に入る。けけ氏が迷うことなくたどり着いた絵。それはあまりにも有名な黒いハットの男と青リンゴの絵。

「これ、画集でしか見たことなかったんだよな。プライベートコレクションだから普段はなかなかお目にかかれないんだよ」

 そう、ルネ・マグリットの傑作の1つ「人の子」だ。帽子をかぶった男性の顔の前に青リンゴが浮いている絵。

「やっぱ本物はいいよな」食い入るように絵に見入るけけ氏。

 たしかに本物はいい。当時の空気を含んだ絵の具の盛り上がりを見ていると、街の喧騒や人々のざわめきが聞こえて来そうだ。一瞬、心がタイムスリップする、そんな気分だ。画集や映像ではここまで心を動かされない。

 

「うん、待てよ。この帽子、なんて言ったけなぁ。どこかで見かけた気が…」

 背が高すぎるシルクハットに変わる帽子として英国人ウィリアム・ボウラーによって考案された帽子。日本では山高帽と称されている。コロンとした丸いフォルム、大きすぎず小さすぎずちょうどいいサイズである。けけ氏はこの帽子に目が釘付けになった。ちょっとググってみる。

ボウラーハットって言うのか。これだよ、これ!チャップリンが持ってたやつ!」

 美術館を後にし、自分に似合いそうなボウラーハットを探し始めたけけ氏。さすがここはヨーロッパである。目当てのものはすぐに見つかった。

「色はやっぱり黒かな。赤いのもよくないか?グレーも捨てがたいな。……ええい、全部買っちまえ」

 

 買ってきた帽子を取っ替え引っ替えかぶってみてご満悦のけけ氏。だが、はたと気が付いた。やはりここはマグリットの絵みたいにスーツでビシッと決めたい。できればクラシックな三揃えがいい。多少の出費はいたしかたない。けけ氏はボウラーハットに似合う三揃えのスーツをあつらえることにした。

 

ボウラーハットって山高帽って言うらしいけど、そんな山みたいに背が高いもんでもないよな。むしろ低山帽?じゃ、いっそのこと山みたいな帽子も作ってもらうか。それはそれで面白いぞ」

 何しろ面白いことが大好きなけけ氏である。スーツを作るついでに「山のように高い」帽子も注文した。これは出来上がりが楽しみだ。

 

 こうしていくつものボウラーハットと文字通りの山高帽、そして三揃えのスーツを手に入れて帰国したけけ氏。荷解きもそこそこに鏡の前に立ってみる。かの喜劇王チャップリンも愛用していたボウラーハットだ。面白いこと好きなけけ氏にはおあつらえ向きではないか。

「舞台にぽつん、いや、ぽつねんとたたずむ役者が1人…か。よし、これからオレは舞台の上ではこう名乗ろう」

帽子をとり、優雅にお辞儀をしてみせるけけ氏。

 

「はじめまして。私の名前はポツ…………」

 

* #35けけ氏は先生がお好き、参照

 

 

出典

Potsunen

~maru~

The SPOT

P+

ポツネン氏の奇妙で平凡な日々

KKTV#1

KKTV#2

カジャラ#3