#27 クロコ
この小噺はつくり話です。
小林賢太郎氏の作品にインスパイアされて書きました。一部のアイデア、固有名詞をそのまま使っています。出典は最後に書いてあります。
どんな些細なことも面白いと思ったらその場でメモをとるけけ氏。かなりのメモ魔である。書くのはメモだけではない。日記も欠かさずつけている。1日を振り返り記録しておくことで創作のヒントが得られることもあるのだ。今日はある日のけけ氏の日記を紹介しよう。
1月某日
今日はクロコのアルバイトをした。このバイト、なかなか時給がいいのでやめられない。今日は折り紙対決での仕事だった。日本を代表する折り紙師の華麗な技を競う国際大会での仕事だったので、責任も重いのだがやりがいのある仕事だった。あんな素晴らしい折り紙作品を目のあたりにすることができて本当によかった。折り紙といえば相方が折り紙の番組に出ていたな。相方も日本を代表する素晴らしい文化である折り紙に関わることができているのか。うん、これは嬉しい。喜ばしいことだ。
2月某日
今日のクロコのアルバイトは楽だったなぁ。あんまりにも出番が少なすぎて、一緒にクロコをやっていた友人をずっと双六をして遊んでしまった。自分で作った双六だったのだが、我ながらよく出来ていたな。暇つぶしにちょうどよかった。あの双六どこにしまったかな、またやりたくなってきた。
3月某日
今日呼ばれたのは投道選手権の会場。試合の時に鳴らされる太鼓をたたくクロコの仕事だった。太鼓を叩いた経験はなかったのでどうなることかと思ったが、案外上手くいった。ちょっとカッコつけて叩いてみたのだが、どうだったんだろうか。後で投道選手権の録画を見て反省会をするか。
4月某日
コント集団カジャなんとかというお笑い芸人の公演の前説の仕事をしてきた。この公演では舞台が始まる前に必ず前説があり、クロコがその役目を担っている。ま、舞台を観るときのちょっとしたコツみたいなのを説明するのだが、割に長くて大変なのだ。そのほか、舞台で使われた小道具の回収なんかもやるので気が抜けない。クロコの仕事の中では一番大変だな。ま、その分やりがいもあるんだが。そろそろ次の公演が決まりそうだからまた依頼が来るかもな。是非参加したいものだ。
けけ氏、クロコのアルバイトしていたのか…。知らなかった…。
出典
日本の形 折り紙
オリガミの魔女と博士の四角い時間
KKTV#4 素語録双六
KKTV#10 投道選手権
カジャラ