#28 手ぬぐい
この小噺はつくり話です。
小林賢太郎氏の作品にインスパイアされて書きました。一部のアイデア、固有名詞をそのまま使っています。出典は最後に書いてあります。
「ああ、また買ってしまったよ。これで何本目だ?カミさんに怒られるかもなぁ。やれやれ」
けけ氏は何かを集めるのが好きである。なんとか星人のカードもかなり集めた。その次にハマったのが手ぬぐいである。理由?そんなものはない。集めたいから集める。世のコレクターなんてみんなそんなものだろう。もちろんけけ氏も例外ではない。
目の前の手ぬぐいを見て思い出にふけるけけ氏。しばしお付き合いいただこう。
どういうわけか市松模様に惹かれるんだよなぁ。好きすぎてもはやもはやオレのアイコンと言ってもいいくらいだ。今まであちこちの作品に登場させてきた。先日発表したヤギをモチーフにしたコントで市松模様の手ぬぐいを使ったな。落語のように手紙を手ぬぐいで表現してみた。木綿のハンカチーフならぬ木綿の手ぬぐい。そもそも木綿でできていない手ぬぐいってあるのか?何はともあれなかなか面白い作品になった。
豆しぼりの手ぬぐい。これも日本の伝統的な柄である。水玉模様というよりは豆しぼりという表現がぴったり来る柄である。これはポケットチーフがわりにスーツのポケットに入れてみた。案外違和感がなかったので大満足だった。和と洋の融合。なかなか素敵じゃないか。庭師にも持たせてみたが、こちらも違和感なく馴染んでくれた。手ぬぐいって万能だな。
籠目柄のやつ。これも日本の伝統的な柄だ。これも和洋折衷で使ってみた。シャツにベストにネクタイという、まるでバーテンダーのようないでたちの人物の首にかけてみたっけ。そうそう、こちらもいい感じだったんだよな。手ぬぐい、このアイテムは使える。日本人よ、タオルなんてものを使っている場合ではないぞ。手ぬぐいだ、これからは手ぬぐいの時代だ!………いかんいかん、つい熱が入ってしまった。
その他色々な手ぬぐいをコントの出演者に持たせてみたな。普通に首からかけるやつ、頭に被ったやつ、ヘアバンドのように使ったやつ、色々いた。様々な使い方があるところも万能って感じがしていいぞ。タオルより薄くてかさばらないし、軽いから首への負担も少ない。聞けば手ぬぐいは簡単に裂けるので包帯の代わりとか下駄の鼻緒の代わりになったりするというじゃないか。やはり手ぬぐいは万能だぜ。
お、自分でも手ぬぐいが作りたくなってきたぞ。何かいいデザインはないかな。
けけ氏はアイデアが書いてあるノートを出してきて手ぬぐいのデザインを考え始めた。相方が自分の名前をモチーフにした手ぬぐいを作っていたから、けけ氏もその方向でいくのだろうか。
おっと、その前に手ぬぐい、手ぬぐい。やっぱ首からかけておきたいよな。
スケッチブックにはけけ氏オリジナルの文字が並んでいる手ぬぐいや、天狗のような鼻を持つウサギがあしらわれた手ぬぐいのアイデアが描かれていた。近いうちにこれらは手ぬぐいとして商品化されることだろう。どこかの公演で販売されるかもしれない。
手ぬぐい、おひとつどうですか?
出典
maru ヤギさん郵便
DROP 椅子落語
KKTV#6 なぞなぞ庭師
KKTV#9 シマヤマヤマシの事件簿
KAJALLA#2 毒と鍛冶屋ら
片桐仁氏のギリギリ手ぬぐい
「ない」文字の手ぬぐい
ハナウサの手ぬぐい